注:ブログ中央部に血液付着した写真を載せています。苦手な方は、お読みにならないでください。
皆さん
母子手帳の「出産の記録」ページに
出血量とあるのはご存知ですか?
そしてこれ、気にしたことありますか?
一般的には
少量:0-99ml
中量:100-499ml
多量:500ml以上
の基準で表記されます。
しかし、なんと少量と中量の基準は病院ごとで異なります、、、???
私の勤務している病院だと
少量:0−249ml
中量:250−499ml
多量:500ml以上
です、、、、、どういうこと???
日本産婦人科学会用語集で500ml以上は分娩時異常出血と言われていますが、
それ以下の区分は無いのです。
私が働いている上でも500ml以下だと、
お母さんへの影響もほとんど変わらないのかなという印象です。
「私は中量に丸ついてるわ!しかも出血量は書かれていない。どうしよう!」
なんて思わなくて大丈夫!!
少量・中量を分けることお母さん達はそんなに気にしなくて良いと思います。
帝王切開は多量:500−700ml前後だと思われます。
つまり、経膣分娩の方より、出血量が多いことがほとんど。
大量の血液が送られている子宮を切開することが理由とされています。
その出血量は羊水やら、洗浄液やらいろんなものをが混じっているガーゼの総量から、
ガーゼ分、洗浄液分、羊水分(実質量ではなく平均的な量)を引いて算出されます。
計算上は合うんですけど、正確なの?って思いません?
アメリカのGAUSS SURGICAL社がTRITONというiPhoneのアプリを開発されたそうです。
この「TRITON」、血を吸ったスポンジやガーゼをiPhoneやiPadにかざすと、
その色の濃さや広がりの面積などから出血量を瞬時に計測するらしいです。
もちろん、血液と非血液性を区別もするといいます。(これ、凄すぎ!!)
TRITONを導入した病院では、
2〜4倍ほど分娩時異常出血を検出でき、
介入の遅れを34%減少させたそうです。
さらに不必要な輸血や検査による年間のコストを削減できたそうです。
FDA(日本における厚生労働省のようなところ)認証も受けており、
その正確性を裏付ける臨床的エビデンスもあるそうですよ。
目視による推定や重量法と比較しても優れているようです。
コスト削減は病院側のメリットでもありますが、
サービスを受ける側のママ達にとっても非常に有益だと思います。
出血量が正確に分かることで、
貧血へのアプローチも早めに介入できますし、
出血による命の危険性もより素早く回避できます。
そしてそれだけではなく、この出血量の計算、
ほとんどの施設で助産師・看護師がしていると思うのですが、
iPhoneで撮るだけで良いのであれば、
出血量把握に要する時間が削減できます。
削減できた時間はママへのケアに充てることができ、
お互いにWin−Win!
日本で普及していくと良いなぁ。