ウガンダという国をご存知でしょうか?
東アフリカに位置するウガンダ共和国。
プロボクシング選手や陸上競技選手の輩出が多いこの国、
私には屈強さがイメージとしてありますが、
今このウガンダで帝王切開率が上昇しています。
その上昇している理由が帝王切開を選択する女性が増えているからとのことです。
なぜ、女性達は帝王切開を選ぶのか。
特に好んで帝王切開を選択しているのは労働者階級の女性です。
- 陣痛を経験したくない
- 出産への恐怖
- 帝王切開への肯定的な考え方
- 迷信
などが理由として考えられるそうです。
ある地区では10代の妊娠も帝王切開率を上げています。
18歳以下の自然分娩だと、
母親の骨格がまだ出来上がっておらず、
赤ちゃんを産み出せなかったり
合併症が増えたり、
赤ちゃんを失ってしまったりするので、
帝王切開が選択されています。
また以前は病院が少なく
自然に出産するしか方法がなかったようですが、
現在は病院の数も増え
女性に選択肢ができたからだという見解もあるようです。
さらにはウガンダの女性にも妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病と診断される方が増えたことも一因にあります。
しかし一方で、
ウガンダの病院に勤務しているスタッフから
「医師の技術習得のため、経膣分娩できる方でも『帝王切開が必要ですよ』と勧められ、帝王切開を受けざるを得なくなっている」との声もあるようです。
ウガンダの母達の声としては
- 帝王切開の方が安全だから選んだ
- 経膣分娩できると言われていたのに、直前になって帝王切開でないと産めないと言われた
- 前回の経膣出産の時に看護師に酷い仕打ちを受けたので、ストレスの少ない帝王切開を選んだ
があるそうです。
現在、日本では
予定帝王切開のことを「選択的帝王切開」と言いますが、一般的な感覚としては違和感を感じるのではないでしょうか?
選びたくて選んでいるのではないと。
医療用語と一般的な用語とでニュアンスが違い、言葉通り受け取りにくいと思います。
そして一般的なニュアンスとして受け取られがちな
ウガンダのように希望すれば選択できる帝王切開は
今のところ日本では積極的にはありません。
さまざまな理由を考慮して、
経膣分娩を行うよりも帝王切開を行う方が母児ともに安全であると判断できる時に帝王切開が選択されるのです。
ウガンダのように女性が帝王切開を選べるようになったら、
日本の帝王切開率も上昇するのでしょうか?
(ウガンダ以外でも帝王切開を選択できる国は沢山あります)
経膣分娩と帝王切開の両方を経験した私としては、
経膣分娩の方が母体回復は明らかに早いと思います。
帝王切開のようにお腹を切って手術をするということは様々な合併症のリスクもあります。
手術を受けた後、数年は問題なくても、数年後に帝王切開を受けたことが影響することだってあるのです。
そして、今の日本でいう経膣分娩ができないから帝王切開という図式だと
帝王切開を受けた際に「〜ができなかった」という不完全感が残る人がいるのも事実。
選択できるようになれば、不完全感を持つお母さん達も少なくなるのでしょうか?
大切なのは産んだその先をどう生きるかということだと思いますが、
なかなかそう思えないという方の心の揺れ動きに寄り添えたらなと思います。