· 

CASE15−7 産んだ実感を得るタイミング

帝王切開後の初めての歩行開始の時期は翌日のお昼でした。

 

一人目の時は手術後から歩行開始までの時間が長かったせいか、

 

余裕でした。

 

若かったし、

 

余裕で歩けました。

 

新生児室まで、

 

点滴をぶら下げて歩いていったんですけど、

 

赤ちゃんが沢山並んでいて、

 

どれが自分の子か分かりませんでした。

 

手術室で産まれたその一瞬しか見ていなかったので、

 

仕方ないんですけどね。

 

でも、

 

赤ちゃんが沢山並んでいる様子を見て、

 

「あ〜、私も産んだんだ。」

 

と思いました。

 

下から産んだ人と、

 

帝王切開で産んだ人とでは産んだと思う瞬間が違うのかも知れないなとその時思いました。

 

産んだというよりは産ませてもらったという感じが強いからでしょうか、

 

私もまだその時は帝王切開出産だったことを引きずっていましたので、

 

そう思いました。

 

でも、

 

授乳をしていくうちに

 

「あ〜、私の子だ。」

 

と思いましたし、

 

息子は主人にとても似ていたので、

 

「やっぱり私の子だ。」

 

と強く思うことができました。

 

 

傷は痛かったのですが、

 

それこそ産後ハイだったし、

 

若かったので、

 

退院するよりも前に痛みは気にならなくなっていて、

 

早く帰りたいという思いを持っていました。

 

ただ一つの懸念点は産後に血圧が高くなり、

 

今までそんなことがなかったので、

 

心配でしたが、

 

退院の頃には落ち着きました。

 

傷は横向きの傷でした。

 

母からは最初にあの傷ついた一言を言われて以来は、

 

出産方法について言わないようにしてくれてたのかもしれないんですけれど、

 

実家も初孫ハイみたいになっていたので、

 

実家での里帰りの期間を楽しく過ごせました。

 

時折、

 

母の

 

「帝王切開で産んだことないから〜」

 

という一言に引っかかったりしましたけどね。