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CASE19−8 この人、鬼だ!

病室に戻ると、

 

だんだん麻酔が切れてきて、

 

今度は激痛との戦いでした。

 

痛みは今までの人生で、

 

一番の痛みでした。

 

陣痛と同等くらいの痛みでした。

 

丸一日、

 

水も飲んではいけなくて、

 

その間の喉の乾きが、

 

とても辛かったです。

 

自分のタイミングで、

 

背中に入っている痛み止めを入れるボタンがあったのですが、

 

その説明をどうやら聞き逃していたらしく、

 

その痛み止めを使うことなく、

 

ただただ痛みに耐えて過ごしていました。

 

その日の夜は一睡もできませんでした。

 

後日、

 

看護師さんに

 

「ここを押せば良いんだよ。」

 

と教えてもらいました。

 

ただ、

 

それを使えることが分かり、

 

痛み止めのボタンを押しても、

 

痛みはありました。

 

床ずれにならないように、

 

痛くても動くようにとも言われました。

 

申し訳ないですけれど、

 

その時ばかりは、

 

看護師さんのことをめちゃくちゃ恨みました。

 

「こんなに頑張っているのに、

 

まだこんな仕打ちするんだ。

 

鬼だ。」

 

と思いました。

 

とにかく知識がなかったので、

 

「痛い、痛い。」

 

としか伝えることができませんでした。