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CASE35−7 麻酔してくれない

UCSFの産科病棟はとてもきれいでした。

 

とにかくハイテクで、

 

ドアがたくさんあり、

 

迷子になりそうだなと思いました。

 

病室に案内され、

 

ベッドに横になると、

 

早速、

 

点滴を入れられ、

 

「今日は僕が勤務交代するまであなたの看護師です。」

 

と紹介を受けている間に、

 

何か点滴に入れてるなと思った、

 

それはもうすでに陣痛誘発剤でした。

 

「どこかのタイミングで破水すると思うけど、

 

そうなったら教えて下さいね。」

 

と説明され、

 

その他の入院中の過ごし方の説明を聞きました。

 

点滴を始めて1時間くらい経った頃トイレに行くと、

 

尿とは違う水が出てきたのです。

 

「これって破水?」

 

と思ったのですが、

 

よく分からなかったので申告しませんでした。

 

 

ベッドに戻ると

 

だんだんお腹が痛くなってきました。

 

私は少しの痛みを感じるのも嫌だったので、

 

以前から頼んでいた無痛分娩をしてくれないかと言いました。

 

でも、

 

「まだ始まったばかりだからダメだよ。

 

もうちょっと我慢しよう。」

 

と言われたので待つことにしました。

 

きっと私の痛みを訴える頻度と態度に

 

まだまだ余裕があると思ったんだと思います。

 

あまりにも頻繁に言い過ぎたようで、

 

私の痛みの存在を信用してもらえなかったような気もします。

 

そこから急に痛くなり始めました。

 

計画出産の話が出た時に、

 

私は医師に痛い思いをするなら、

 

帝王切開にして欲しいとお願いしました。

 

アメリカの帝王切開の割合は4割とも言われているようで、

 

半分くらいの人が帝王切開となるのであれば、

 

わざわざ陣痛を経験しなくとも帝王切開にして欲しいと伝えたのです。

 

医師からは

 

「普通に産める可能性があるのに、

 

急な医療的介入の必要性が無い状態で帝王切開はできない。」

 

と言われました。

 

すごく残念でした。