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CASE39−19 私は子どもを愛せてる

その時点では赤ちゃんが患者ではなくて、

 

私が患者となりました。

 

赤ちゃんが患者だった場合は、

 

母に何らかの理由でケアができなければ、

 

保育センターで預かってもらえるのですが、

 

それができなかったので、

 

私は治療を受けながら授乳をすることになりました。

 

てんかんや脳梗塞予防のために、

 

マグネシウム治療を受けました。

 

それがものすごく辛い治療となりました。

 

実際は熱くないのに、

 

体がものすごく熱く感じるのです。

 

想像ですが死刑囚の人が死刑を執行されるような感覚というか、

 

自分はこのまま死ぬんじゃないかというような感覚でした。

 

それがかなりトラウマになってしまいました。

 

と同時に気が遠くなる中

 

「このまま死にたくない。

 

息子がこれからどんな事に興味を持って、

 

どんな人になるのかを知りたい。

 

生きていたい。」

 

と強く思ったのがきっかけで、

 

自分はちゃんと我が子を愛せていると気づき、

 

それ以降、

 

愛着形成がうまくできていないんじゃないかと思って悩む事はなくなりました。

 

それは私がTOLACをする事で解消したいと思っていた悩みでしたが、

 

「経膣で産めたぞ!」

 

という達成感や自信で克服したのではなく、

 

「分娩方法がどんなであれ、

 

自分がこれまで不妊治療の副作用や帝王切開後の痛みに耐えたり、

 

母親として、

 

女性としてのアイデンティティを模索して悩んだり、

 

履歴書には書けない様々な新しいスキルを習得して、

 

正解のないたくさんの決断をした事は変わらない。

 

もしも娘が同じ経験をして、

 

理想と違う出産だったからと自分を責めていたら、

 

私は温かい言葉をかけるだろう。

 

ならば自分自身にも優しくならないといけないな。」

 

と思って産後のデリケートな時期を乗り越えました。

 

出産は大変だけど、

 

病気ではない、

 

そこは経腟分娩でも帝王切開でも変わらない大前提だと思っていたのに、

 

出産時や産後に高血圧になる可能性があったことも知らなかったので、

 

こういう経験になって驚きました。

 

 

数日入院して落ち着いたところで退院し、

 

しばらく家で内服をし続け、

 

通院もしました。

 

今まで周りで

 

出産後に子癇になった人の話を聞いたことがありませんでした。

 

このような状況では、

 

日本だったら、

 

翌日退院ということは無かっただろうし、

 

血圧が落ち着くまで退院させてもらえないだろうから、

 

そこはアメリカとの違いだなと感じました。

 

アメリカだと内服管理も自分でしないといけないのが大変だと思います。

 

傷は痛いけれど、

 

赤ちゃんの授乳もしないといけない、

 

つい自分のことは後回しにしてしまい、

 

痛みも取れないし、

 

血圧のことも後回しにした結果でした。

 

産後のセルフケアを意識的にしないとアメリカではきついと思います。

 

私はメンタルケアで今回、

 

いろいろな専門の方に助けを求めることができて良かったなと思っています。