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帝王切開でも経腟出産と同じ菌を!

「帝王切開で産んだらお母さんの菌が赤ちゃんにあげられないと聞きました。だから私の子はよく風邪を引くのですか?私のせいなのかも、、、」

とおっしゃるお母様に出会ったことがあります。

実際のところどうなんでしょうか?

 

ヒトマイクロバイオータってご存知ですか?

人間が身体で共存している細菌叢(さいきんそう:細菌の集合体)のことです。

これらの細菌がヒトをすみかとする一方で、ヒトにはできない食物消化やビタミン合成を行う他、免疫作用など様々な機能を提供してくれる必要不可欠なパートナーです。

細菌叢は腸内、皮膚、口腔、鼻腔、膣などに存在しています。

 

このマイクロバイオータについての研究の一つに

「帝王切開でも経膣分娩と同じ細菌叢にできる」というものがあります。

この研究は雑誌「Med」に載っています。

 

経膣分娩では赤ちゃんが産まれてくる過程で、お母さんからこの細菌叢をもらい、免疫システムを発達させます。

しかし、帝王切開で産まれた赤ちゃんは抗生物質や帝王切開という出産による影響から、細菌叢の受け渡しがありません。

 

研究では、4カ国の177人の赤ちゃんを生後1年間にわたって追跡調査しました。

そのうち98人は経膣で生まれ、79人は帝王切開で生まれましたが、そのうち30人には、生まれた直後に母体の膣内ガーゼから膣液を移した綿棒で赤ちゃんを拭いてもらいました。

 

研究室での分析の結果、母親の膣液が付いた綿棒で拭いた帝王切開の赤ちゃんの微生物相は、膣で生まれた赤ちゃんの微生物相に近いことがわかりました。

また、出産当日の母親の膣内のマイクロバイオームは、体の他の部位(腸、口、皮膚)と類似しており、母親の膣液が赤ちゃんの体全体に細菌を定着させるのに役立っていることがわかりました。

 

本研究は、帝王切開の赤ちゃんが出産時に母体の膣内微生物に自然に触れる機会を作ることで、生後1年間のマイクロバイオームの発達が正常化することを示した初めての大規模な観察研究でした。

研究者らは、次のステップとして、マイクロバイオータの正常化が病気(肥満、喘息、代謝性疾患など)の予防につながるかどうかを判断する必要があると述べています。

 

 

つまり、帝王切開出産しても、経膣分娩とほぼ変わらず、ママの菌を赤ちゃんにあげることができるということです!

 

これ、帝王切開時に行っている病院があると聞いたことはありますが、大抵の病院は現時点ではやっていないと思います。

赤ちゃんにとって良いことなら、取り入れたいですよね。

このような研究の積み重ねで、母子にとって最善の帝王切開になれば良いなと思います。

 

そして、あげることができなかったらどうなるのか、、、

もしかしたら ちょっとは風邪を引きやすいかもしれないです。

もしかしたら 将来、病気(肥満、喘息、代謝性疾患など)になるリスクがちょっと高いのかもしれない。

でも、私の娘は0歳の頃から保育園で1番登園率が高い子です。

ほとんど風邪を引きません。そして、年々身体は強くなっています!

多少鼻水が出てても熱は出ないし、元気に遊びます。

下二人と違い、夫に似てスリムです。

経膣分娩で産んだ息子も変わらず元気です。

違いを感じません。

しいて言うなら、娘は0-1歳児の頃、毎日はうんちが出なかった、ちょっと便秘がちだったということくらいでしょうか?

それも今では問題なく排泄できています。

 

研究者も言っていたように、これからさらに研究して分かってくることもあると思いますが、今は「帝王切開だから」ということは気にしなくても良いのではないかなと思います。

少なくとも私は子ども達を見ていて大きな差は感じていません。

 

それから、、、一番お伝えしたいのは「帝王切開出産はママのせいではない」ということ。

ママと赤ちゃんにとって安全に産まれ、産後健やかに過ごせるための一つの手段だということです。

決してご自身を責めないで欲しいなと思います。